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DC/DCコンバータ アートワーク設計におけるノイズ対策
検証実験:「基板のパターンノイズ対策はどこまでできるか?」

機器の省電力化、ICの低電圧化に伴い、
変換効率に優れたDC/DCコンバータを使用するケースが増加しています。

昔は、DC/DCコンバータ自体のサイズが大きく、また外付け部品が多くてトータルコストが高い、ノイズが多く機器の性能が確保できない、などの理由から、特に機器のアナログ性能が問われるところでは極力使用しないようにすることが多く、電源全体の構成とLDO使用でやりくりしていました。

しかし、近年のDC/DCコンバータは、高性能、高機能、小型化、外付け部品削減で、欠点のいくつかが改善されたため、非常に使用頻度が高くなっています。
ただ、使いこなすには、いかにノイズ発生を少なくし、発生したノイズの他回路への影響をいかに少なくするかが重要になります。

そこで、ノイズを考慮した周辺部品の選定は十分に行った前提で、
「基板のパターニングでノイズ対策はどこまでできるか?」について実例と共に検証します。

基本動作

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ノイズの種類と対策

ノイズの種類

基板における対策

GNDを強固にする、または、大電流のリターン
経路を意識しながらGNDを引き回す。

信号系のGNDとパワー系のGNDを分けて
配線する。

1点アースも効果が大きい。
ただし、弱い1点アースは逆効果にもなるため
加減が必要となる。

スナバなどで対策も可能であるが、可能な限り、
インダクタンスが小さくするような部品の配置、配線を行う。



ON/OFF時の電流ループ領域の変化が
極力小さくなるように、部品の配置・配線を行う。






電流ループは極力小さくする。
インダクタは巻線方向、周辺部品との距離を考慮する。当然、Q値の面からもインダクタのランド間は距離をとり、巻線直下に不要な配線は行わない。

FB経路も、ノイズの影響が少なくなるように、インダクタ他、ノイジーな部分から離して部品の配置、配線を行う。

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下記3パターンについて、基板レイアウトを行い、
ノイズモニター用回路出力のノイズレベルを比較する。

何も考えずに、基板レイアウトを行う。(ここでは、意図的に悪い配置、配線にする)

DC/DCコンバータのデータシートで推奨パターンがある場合、その内容を踏襲したうえで、上述のノイズ対策を意識して基板レイアウトを行う。
また、回路全体の電流経路を考慮する。本実験では1点アースにして各部の電流経路を分離する。

DC/DCコンバータとの根本的なノイズ差をみるために、電源供給部をLDOレギュレータにしたものについても確認を行う。

測定回路

LDOの場合の測定回路(ノイズモニター用回路は同一)

下比較表に示すように、回路が全く同一でも、基板のパターニングによって性能面で大きな差が出る結果が得られた。
理論および、ノウハウの重要性を再認識することができる。

[補足]
実験では、「②良い例」の1つとして、”1点アースにしないでDC/DCコンバータ周辺のノイズ対策だけを行い、GNDベタの状態”についても行ったが、1点アースの場合 に近い結果が得られた。
本実験に関しては、DC/DCコンバータ周辺のノイズ対策の効果が大きく、1点アースによる改善の効果は若干量であった。

基本外観

配線図と電流経路(部品面)

配線図と電流経路(半田面)

波 形

ノイズレベル[ range : 0~5MHz ]

ノイズレベル[ range : 0~5MHz ]


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